雄浜と太陽産房の大人パンダたち(2010.05.02)
2010年 05月 02日
太陽産房は、成都繁育基地を訪れたことのある方ならば、まず間違いなく行ったことがある場所です。というのも、0歳児パンダや1歳仔パンダが暮らしている為、各種パンダツアーで必ず連れて行ってくれる場所だからです。有料ですが電動の観光車が連れて行ってくれる終点でもあり、0歳児のパンダ抱っこや1歳児との2ショット記念撮影ができる場所もここです。
この太陽産房には、仔パンダが暮らすエリア以外にも、南側に面した屋外エリアがいくつかあり、GW期間を含めて春期には繁殖活動中の雌雄パンダたちが1日何回もこのエリアをローテーションしています。何故頻繁にローテーションしているかというと理由は2つあり、一つはマーキングを認識させるなど、交配前の雌雄パンダの恋愛行動を促すためです。二つ目は、交配直後の雌パンダには日光浴等、外気に触れさせることが重要ですが、この時期高温時には外に出せないため、気温を見ながら比較的高温時には雄パンダ、低温時には雌パンダと交替で外に出しているためです。
繁育基地はご承知の通り一頭一頭名前を明示してくれていませんので、太陽産房の大人エリアは大勢のパンダが暮らすエリアとは違った意味で個体識別が非常に難しいエリアです。そのため、行かれた方でもあまり印象が残っていない場合が多いと思いますが、今回は繁殖活動中のパンダたちを紹介したいと思います。
まずは雄浜です。彼は成都繁育基地にとっては希少価値の高い"自然交配のできる雄パンダ"です。発情期に入った雌パンダとの繁殖活動を行う雄パンダとして、2008年から太陽産房(大熊猫産房)で頑張っています。現在繁育基地で自然交配を行っている雄パンダは、他に"屏屏"、"琳琳"が思い浮かびますが、まさしく野球に例えると”一軍レギュラー”ですね。
DV動画からのカットですので画質が良くありませんが、梅梅の面影を残す顔と優しい目、そして永明に似た面長な鼻筋は昔のままです(^^)。
心配された一昨年の腸閉塞手術の際にお腹を剃られた痕も全くわからなくなりましたね。
今回はローテーションの関係で、雄浜は5日間の滞在中ほとんど屋外に出ていなかった為、5月2日の昼間しかDVに収録することができませんでしたが、とても元気そうな姿を見せてくれました。
おやすみ、雄浜。また来るね。今度はもっとゆっくり逢えるといいな~。
余談ですが、雄浜は伝統ある北京動物園直系の血も受け継いでいるんですよね~
北京系のパンダが次々と亡くなっている昨今、個人的には子孫が続いている永明、吉妮、妞妞(DVDでお馴染みの"ニウニウ")の同父母三兄妹の血統がこれからも繁栄していくことを期待しています。
引き続き、繁殖活動中の他のパンダもプロフィールを交えながら紹介します。
名前 | 読み | 生年月日 | 母親(10年末時年齢)
琳琳(♂) | Lin Lin | 1997.08.02 | 白雪(推定20)
まずは昨年、雄浜の"ライバル雄パンダ"として紹介した琳琳です。彼は血統交換のため繁育基地で暮らしています。父親は100頭以上の子孫を残している”盼盼”です。彼の活躍で、繁育基地にも"盼盼帝国"の血統が根付く日もそう遠くないかもしれませんね。耳の立派な大柄のパンダです。よ~く見ると、左耳のほぼ中央の毛が円形状になくなっています。
名前 | 読み | 生年月日 | 母親(10年末時年齢)
成績(♀) | Cheng Ji | 2000.09.12 | 成成(25)
続きまして、パンダフルライフでもお馴染み成績です...が、今回は残念ながらすごく見づらい場所で笹を食べていました。
名前 | 読み | 生年月日 | 母親(10年末時年齢)
莉莉(♀) | Li Li | 1992.09.03 | 慶慶(26)
母仔園には09年生まれの双子姉妹、文莉と雅莉の母である莉莉が暮らしていました。 小柄で丸顔のかわいいパンダです。
名前 | 読み | 生年月日 | 母親(10年末時年齢)
娅老大(♀) | Ya Lao Da | 1999.09.09 | 娅娅(20)
そして、芝芝の母、娅老大ですが、爆睡中でした(^^;)。とうとう今回は一度も起きてくれませんでした...。
ちなみに2年前は、亜成年エリアで木に登った姿を我々に見せてくれました。右足のつま先の白い毛がチャームポイントです。彼女は既に3頭(うち1頭は夭逝)の出産経験がありますが、曾祖母:美美(11頭出産)-祖母:慶慶(13頭出産)-母:娅娅(12頭出産)と多産の一族ですので、これからも頑張ってもらいたいです。
名前 | 読み | 生年月日 | 母親(10年末時年齢)
奇縁(♀) | Qi Yuan | 1999.09.05 | 梅梅('08年に死亡)
そして最後にこのパンダ、名前を見て気付かれた方も多いと思いますが、実は梅梅が最初に生んだ双子の妹の方なんです!!
この時期は繁殖時期なので、今までうまく逢うことができませんでしたが、今回は5日中2日間も逢うことができました。梅梅や良浜よりは頬毛が多い顔立ちですが、じっくりと見れば目の回りの毛が隆浜のように少し薄くなっていました。この特徴は、娘の奇福や奇妙にも見られますね。今までに、思縁、縁大、縁小、奇福、奇妙の2男3女に恵まれています。